「流れ淀まずゆく水は 北に犀川千曲川 南に木曽川天竜川」と、長野県歌「信濃の国」にも歌われるように、天竜川は信州を代表する河川です。延長213km、流域面積5090km2の堂々たる大河は、八ヶ岳の水を集めた諏訪湖に源を発し、遠く静岡県遠州灘に注いでいます。
東は南アルプス、西は中央アルプスを屏風のように立てて走り、上伊那では見事な河岸段丘を、下伊那の山深い土地では峡谷を作っています。この川に注ぐ代表的な支流には、東側からは三峰川、小渋川、遠山川などが、西側からは大田切川、中田切川、与田切川、松川、阿智川などがあります。また、流域には長野県内だけでも飯田市、伊那市、駒ケ根市、諏訪市、岡谷市と都市部も抱えていて、太古から人はこの川の恵みに頼ってきたことを示しています。
もちろん、天竜の恩恵を受けてきたのは人ばかりではありません。動植物も豊かに繁栄しているのも、大河であることの証なのです。氾濫の歴史も多く、「暴れ天竜」の異名ももつ天竜川ですが、悠久の地球の営みが見せる自然の造形の雄々しさに、人は他の生き物と同様に、常に畏敬の念を持ちながら接してきました。
近年、地球環境についての関心が高まるなかで、諏訪湖から遠州灘にいたる遠大な天竜川の水系を、上下流域がひとつになって守っていこうという動きも盛んになってきました。 |
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